ちまたでは【髪がみるみる回復するトリートメント】とか【傷んだ髪が復活する】など魅力的なキーワードで打ち出している商品、メニューがたくさんありますね。
もちろんトリートメントをすると髪は手触りは良くなるし、ツヤも感じられるようになります。
でもこれって根本的に髪が回復しているかというと、そういうわけでは無いんですね。
そもそも髪は生きていないモノ
出典:https://katadayusuke.com/2018/09/30/damagehair/
髪の毛は毛穴の奥にある毛母細胞というところで作られ伸びていきます。常に毛穴で髪の根元が作られ上に上に押し出されていっているイメージですね。
髪を作る毛母細胞が工場、髪の毛はその工場で作られた製品。というとわかりやすいでしょうか。
その製品である髪の毛は、モノなので何も意志を持ちません。もちろん自己修復機能なんてハイスペックな機能も持ち合わせていません。かなりシンプルな作りなんですね。
難しくすると、【核を持たない細胞の集まり】なので死んだ細胞。とも言えるのですが、もっと簡単に【工場で作られたモノ】だと考えてみてください。
肌と髪の原料はどちらもタンパク質
ほっぺたでも腕でも自分の体を触ってみてください。
そのあなたが今触れている体の一番外側の部分。肌の表皮、それも角層と呼ばれるところですね。
その触れた肌の主成分と髪の毛の主成分はどちらもケラチンというタンパク質です。
では、肌は再生するのに髪が再生しないのはなぜでしょうか。
肌はターンオーバーして常生まれ変わる
肌の表面は約28日周期でターンオーバー(新陳代謝)をし生まれ変わります。
ちょっとだけ引っかき傷ができてしまった。なんてことがあっても28日で新しい肌に生まれ変わるんですね。
たったの一月ほどで生まれ変わる肌。もちろん水分量を高めたり、ターンオーバー周期を早めるための努力でさらに綺麗な肌を目指せます。とくにお顔の肌に関しては意識して取り組む方が特に多いですよね。
*ちなみにターンオーバー周期は年齢とともに長くなるそうで、(年齢x1,5〜2=周期日数)が平均らしいです。
髪のターンオーバー周期は桁違いに遅い
髪は一月に1〜1,2cm伸びます。
1つの毛穴から新しい髪が生えてきたらその髪は4〜7年かけて伸び、抜ける。というサイクルを繰り返しています。
肌と比べて圧倒的に遅いのがおわかりいただけますね。
ほぼ新陳代謝なんてしてないくらいに考えてしまってもいいと思っています。
こんなに生まれ変わらず、回復しないモノとしての髪の毛。
もっと繊細に扱った方がいいものなんですね。
髪の耐久力は減点法
針金の同じところを何度も曲げたり戻したりしたら、いつかは折れますよね。
モノには耐久力があり、その限界値を超えると壊れてしまいます。
髪の毛はモノ。という話はしましたね。髪の毛にも耐久力があり、それは数値化して考えることができるんです。
生えてきた瞬間の髪の毛は耐久値がマックス
人により、髪の耐久値はそれぞれ違います。80ポイントの人もいれば、120ポイントの人もいる。
髪強いんですよ〜、とか、痛みやすくって、とかいうのはこの差ですね。
髪をダメージさせないというのはこの耐久値をいかに減らさないで残しておくか。ということなんです。
そしてモノは製造された時が一番耐久力がある状態。
髪の毛でいうと生えた瞬間がその状態です。
髪の耐久値をけずる要素は様々
髪の耐久値をけずるのは
・美容室での施術
・自宅でのドライヤー、ヘアアイロンなどの熱
・紫外線
この3種類が大きいです。
美容室での施術
カラーを一度すると−10ポイント パーマは15ポイントなどそれぞれが割と大きい減点ポイントを持っています。
ブリーチや縮毛強制はさらに大幅に減点されると覚えておいてください。
自宅でのドライヤー、ヘアアイロンなどの熱
スタイリングをするのに必要なこれらの道具ですが、毎日の使用で少しずつ減点されていきます。
高温であればあるほど、長時間使えば使うほど減点ポイントが大きくなるので注意です。
紫外線
紫外線は髪の乾燥、毛髪強度の低下、など直接的に耐久値を削りにきます。
髪用の日焼け止め剤をつかうなどして、耐久値を落とさない予防をすることが重要です。
トリートメントは回復魔法では無い
トリートメントは髪の手触りを良くしてくれるし、ツヤ感もアップしてくれます。
しかし、髪の耐久値をあげてくれているわけではなく、耐久値が下がった髪を内側から外側から覆うことで壊れにくくしてくれているんです。
根本的に治る、というのは誤解です。